知識と情報の小径【領収書編】
領収書にまつわる優れたコラムや興味深いコラムを紹介する小径です。
コラム
私が
小学
校だった頃、伯父の所有する山に樟脳炊きの吉蔵さんという人が住んでいた。吉蔵さんは目に一丁字もない無学の人であったが、何時会ってもニコニコとして何の不平も不満も訴えることなく、日がな一日黙々と樟脳炊きをしていた。或時、従兄に連れられ山に鳥撃ちに行き、吉蔵さんの小屋に立ち寄って一休みしていた折り、従兄が傍に置いてあった役場の
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に目をやりながら、「一回持って行って二円五十銭とは、樟脳炊きは儲かる仕事だな」と吉蔵さんに声をかけると、「いや私が役場から貰ったのは一円と幾らで、その半分ぐらいです」と吉蔵さんは答えた。「しかし、この
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には二円五十銭と書いてあるのに、実際にはその半分とは、全く・・・
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