知識と情報の小径【領収書編】

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コラム     使途が不明だった「政策活動費」が2024年に政治資金規正法が改正され廃止されることになった。しかし、使途が不明なのは「政策活動費」だけでなかった。 自由民主党本部が「調査費」名目で2010年以降2024年までの15年間に6億9800万円以上を所属の国会議員に支払っていたことが「自由民主党本部」の政治資金収支報告書を分析した結果、分かった。   11冊に分かれている2024年の自由民主党本部の政治資金収支報告書(総務省HPより)     自民党本部の政治資金収支報告書は総務省のHPに掲載されている。 2024年の自民党の政治資金収支報告書は11冊に分けられていて、各100ページ以上あるので1000ページを遥かに超える。紙に印刷したらかなりの厚さになるだろう。その7目の束に、「調査研究費(調査費)」という項目の支出を記載したページに「調査費」が記載されていた。 「調査費」名目には、㈱日本情勢調査、共同ピーアール㈱といった調査会社らしき企業名が並ぶ。その中に「調査費 500万円 2024年7月31日 森山裕」「調査費 100万円 2024年1月22日 伊藤達也」などの国会議員名が記載されている。これは、文字通り、2024年7月31日に当時総務会長だった森山裕衆議院議員に「調査費」として自民党本部から支払われたということだ。     調査費が自民党幹部に支払われていた(2024年の自民党本部政治資金収支報告書収支報告書より)   しかし、森山裕衆議院議員が代表を務める政党支部「自由民主党鹿児島県第4選挙区支部」や国会議員関係団体である政治団体「森山会」には、7月31日に自民党本部から500万円を受領した記載はない。少なくとも、主要な政治団体ではこの500万円の調査を受け取っていない。 要するに、この500万円の「調査費」は、自民党本部から森山裕衆議院議員に支払われた後、それが何らかの調査に支出されていたとしても、領収書もなく、何に使われたか、本当に調査のために使われたのか、分からない。これは、裏金問題が発覚後に話題になった政策活動費と同じ構図だ。政策活動費は国会議員に支払われた後、領収書提出の必要がないため何に使われたか分からないことが問題になり、2024年の臨時国会で政治資金規正法の改正で禁止となった。   ↑ 調査費を受け取っていた森山裕衆議院議員     政治資金問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は次のように指摘する。 「政治資金規正法は、原則として公職の候補者に寄付することを禁止しているのですが、その例外が二つあります。その一つは、選挙運動に関する寄付で、この寄付は公職選挙法で選挙運動費用収支報告書に収入として記載されるので、使途不明金にはなりません。  一方、もう一つの例外は、政治活動に関する寄付者が政党(本部又は支部)の場合です。しかし、この寄付は、公職の候補者が代表を務める政党支部又は資金管理団体の政治資金収支報告書に記載しなければ、その寄付収入を何かに使っても使途不明金、事実上の裏金になってしまいます。公職の候補者個人は政治資金収支報告書を作成することが義務づけられていないからです。自民党本部の場合、この事実上の裏金が毎年何億円もあり、例えば2017年は19億円超もありました。他党でも同様の事実上の裏金がありました。  自民党の派閥の裏金事件が発覚したので、それを契機に政治資金規正法が改正されて、政党が公職の候補者に寄付することが禁止されました。その結果、政党が『政策活動費』名目で寄付することが禁止されたのです」 2024年の調査費を受け取った国会議員は6人。(役職は当時) ・伊藤達也幹事長代理(100万円、150万円の二回) ・渡海紀三郎政調会長(500万円を二回) ・若宮健嗣政調会長代理(100万円、500万円の二回) ・渡辺博道組織運動本部長(300万円) ・茂木敏充幹事長(800万円) 合計額は3450万円に上る。     2023年は、麻生太郎副総裁が300万円、萩生田光一政務調査会長が1700万円、茂木敏充幹事長が1950万円、伊藤信太郎自民党国際局長が200万円の合計4150万円だった。 政治資金収支報告書で確認ができた2010年以降・・・
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